開発者:鹿島建設 株式会社 ※当社は設計、販売を行っております。
■許可杭径/φ300~φ1200
■評定番号/BCJ評定-FD0060-03
工法の概要
既製杭の杭頭にリング状のプレキャストコンクリート部材(以下、PCリング)を設置して、杭頭半固定接合とする
工法であります。
PCリングは定着筋によりパイルキャップに定着し、杭には定着しない。また、従来工法の杭頭固定接合で用いる
杭頭定着筋は用いません。
杭頭部の軸力と曲げモーメントは杭頭接合面の圧縮応力により伝達し、引張力が作用する場合には、引張定着筋
により伝達されます。杭頭部のせん断力はPCリングを介して伝達されます。杭頭接合部の概要図を以下に示します。
図-1 杭頭接合部の概要図
工法の特徴
- 1.杭頭半固定接合法により杭頭に集中する曲げモーメントを低減し、杭中間部にも杭頭と同程度の曲げ モーメントを負担させたバランスの良い設計ができます。
- 2.杭頭曲げモーメントを低減できるため、基礎梁断面及び配筋を軽減できます。
- 3.杭径と必要せん断力の組み合わせによりPCリングを選択するので、設計が容易であります。
- 4.施工が極めて簡単であり、所要の品質が確実に得られます
PCリングの概要
杭頭部でせん断力を負担させるPCリングは、杭径と必要せん断力に合わせて用意されています。
対応する杭径は300φ~1200φで、杭径ごとに許容せん断力の異なる3種類ずつ(N、S1、S2)が対応しています。
PCリングは主にコンクリートで構成されており、断面内には高強度せん断補強筋、PCリング内側には鋼板リング
が設置されており、高いせん断耐力と靱性を確保している。また、PCリングから上方に向けて定着筋が配筋されて
おり、基礎と一体化します。
PCリングの製作は、原則としては工場製造ですが、現場製造も可能となっております。
図-2 PCリング概要
対象とする杭工法
対象とする杭工法は既製杭工法で、杭径は300~1200mmであります。
既製杭(PHC杭、PRC杭、SC杭、鋼管杭等)